石から生まれた燃えにくい紙「ストーンペーパー」

2018/06/26 ( 2018/08/20 更新)
Stone Paper
 

 一般的に「紙」といえば火に弱く、燃えやすいというイメージですが、燃えにくい紙というものが存在します。

印刷物でも「ストーンペーパー」と呼ばれる燃えにくい紙がありますので紹介します。

 

身の回りの燃えにくい紙

旅館の夕食などで使用される「紙鍋」。水や火に強い丈夫な和紙を折って鍋にしたもの、具材を乗せて下から火で炙って調理します。内側は耐水性を施し、外側は燃えにくくなる耐火性の加工をしてあり、食材の水分が紙の温度を下げ発火しないように作られています。

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紙鍋は使い捨てで洗う必要もない上に、紙の繊維が鍋料理のアクを吸着してくれるため、アクを取る必要がないというメリットがあるため、アクの出やすい鍋料理に便利な商品です。

紙鍋は、中に水分があると燃えにくいのですが、燃えないわけではないので、普通に可燃ゴミとして処分できるそうです。

他にも家の中で使われる「壁紙」も特殊な加工によって燃えにくい紙になっています。

壁紙には水酸化アルミニウム等が含まられており、熱せられると酸化アルミニウムになり、その際に水分(結晶水)が発生するため燃えない(炎を出さない)ため、火の回りを軽減させる仕組みです。最近では障子の紙も燃えにくい紙が使われるようになっています。

 

印刷に使われる燃えにくい紙

印刷に使う紙にも燃えにくい紙を使う事があります。

よく使われる場面が、火が出る機器や高熱の機器のメンテナンスで作業者が持ち歩く取扱説明書などです。作業中に引火して燃えないように特殊な紙を使用します。

この時に使われる燃えにくい紙というのが「ストーンペーパー」と呼ばれる紙で、原料に木材チップやケナフなどを一切使用せず、石から抽出した無機鉱物粉末から作られています。原料が石なので燃えにくいだけではなく、耐水性も高く、破れや裂けにも強い不思議な紙です。問題なく印刷することもでき、鉛筆などで字を書くこともできます。

ストーン・ペーパー

耐久性の必要な商品やポスター、ペーパーバッグ(紙袋)や名刺、ガイドマップなどにも利用でき、丈夫なメモ帳などにも利用されています。

ストーンペーパーのもう1つの特徴は環境に優しいという点。

木材パルプを使用しませんので森林伐採の必要がありません。また、製造時に一般的な紙の製造工程で使われる漂白剤や蛍光染料等を必要とせず、水も使用しないため排水が出ないので水質汚染につながらないのが特長です。

 

ストーンペーパーのデメリットは?

耐久性が高く、環境にも優しいストーンペーパーは良いことずくめのようですが、デメリットはあるのでしょうか?

値段は、比較的高価な合成紙に比べると安価なのですが、コート紙や上質紙のような一般紙よりは高めです。また、原料が石であるためやや重いのも特徴です。また、廃棄するときは燃えないゴミとなります。

書き心地は滑らかで、色の再現性も鮮やかなのですが、万年筆のような硬いペン先は引っかかりを感じることがあるため、筆記具との相性はあるようです。

燃えにくいのですが、高温に弱い部分もあってレーザー方式のコピー機などには向かない場合もあり、インクジェットの場合もインクジェット用の加工がされたものを使う必要があります。

石でできているゆえの注意点はありますが、丈夫で環境に優しいストーンペーパーは時代にあった紙かもしれませんね。

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