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ノベルティの名入れ相場はいくら?費用内訳と価格を抑えるコツを解説!

作成者: TS部 佐藤新一|2025/07/31

企業のプロモーションやイベントで欠かせないノベルティグッズ。社名やロゴを名入れすることで、企業の認知度向上やブランディングに繋がる重要な販促ツールとなります。しかし、初めて担当する方にとって「名入れの費用は一体いくらかかるのか」「相場はどのくらいなのか」といった価格に関する疑問は尽きないでしょう。

この記事では、ノベルティの名入れ費用の相場について、価格の内訳から費用を抑えるコツまで、担当者が知りたい情報を網羅的に解説します。この記事を読めば、適正な予算感が掴め、効果的なノベルティ製作を実現できます。

 

ノベルティの名入れにかかる費用の内訳

名入れノベルティの価格を理解するためには、まずその費用の内訳を知ることが重要です。多くの場合、名入れ費用は「商品本体代」「版代」「印刷代」という3つの要素で構成されています。これらの合計金額が、最終的な見積もり金額となります。

 

費用は「本体代」「版代」「印刷代」の3つで決まる

名入れノベルティの総費用は、以下の3つの合計で計算されるのが一般的です。

  • 商品本体代:ノベルティとして使用するグッズそのものの価格です。ボールペンやクリアファイルなど、選ぶアイテムによって価格は大きく変動します。
  • 版代:名入れデザインを印刷するための「版」を作成する費用です。多くの場合、初回発注時やデザインを変更する際に発生します。同じデザインで再度発注する場合は、版代がかからないこともあります。
  • 印刷代:商品に実際に印刷を施すための作業費用です。印刷する色数や数量、印刷方法によって価格が変わります。

費用項目

内容

費用の目安

商品本体代

ノベルティグッズ自体の料金

1個あたり数十円~数千円

版代

印刷用の「版」の作成料金
(初回発注時など)

1版あたり6,000円~12,000円

印刷代

印刷作業の金(数量や色数で変動)

1個あたり15円~150円

 

見積もりを取る際は内訳を必ず確認する

複数の業者から見積もりを取る際は、総額だけを見るのではなく、必ず費用の内訳を確認しましょう。業者によっては「版代込み」の単価を提示していたり、「一式」として詳細が不明瞭であったりする場合があります。

内訳を比較することで、どの費用が高いのか、あるいは安いのかを正確に把握でき、価格交渉の材料にもなります。また、将来的に同じデザインで追加発注(増刷)する可能性がある場合は、リピート発注時の版代の有無や印刷代についても確認しておくことが重要です。

 

【価格の決まり方】名入れ費用の相場を左右する4つの要素

名入れノベルティの費用は、様々な要因によって変動します。ここでは、価格を左右する代表的な4つの要素「商品」「発注数」「印刷方法」「納期」について解説します。これらの要素を理解することで、予算に応じた最適なプランを立てることができます。

 

1. 商品(アイテム)の種類と単価

当然ながら、元となる商品(アイテム)の単価が費用に大きく影響します。例えば、単価が数十円のボールペンと、数千円のモバイルバッテリーでは、総額は大きく異なります。

配布するターゲットや目的に合わせて、適切な価格帯のアイテムを選ぶことが重要です。ばらまき用のノベルティであれば単価の安いものを、お得意様向けの記念品であれば、少し高価で品質の高いものを選ぶといった使い分けが求められます。

 

2. 発注数(ロット)

発注数(ロット)は、名入れノベルティの単価を決定する上で非常に重要な要素です。一般的に、発注数が多ければ多いほど、1個あたりの単価は安くなる傾向があります。

これは、版代や印刷の準備にかかる固定費用が、多くの数量に分散されるためです。小ロットの注文にも対応している業者は増えていますが、割高になることが多いため、ある程度の数量をまとめて発注する方がコストメリットは大きくなります。

発注数(ロット)

1個あたりの単価

小ロット(~100個)

割高

中ロット(100~500個)

標準

大ロット(500個~)

割安

 

3. 印刷方法と色数

名入れの印刷方法と、使用する色の数も価格を左右します。シンプルな1色刷りは最も安価ですが、色数が増えるごとに費用は加算されていきます。例えば、2色刷りは1色刷りのおおよそ2倍の料金がかかる場合があります。

フルカラー印刷は、写真やグラデーションなど複雑なデザインを表現できますが、その分コストも高くなります。企業のロゴなど、指定の色がある場合は色数が増えがちですが、予算を抑えたい場合は、デザインを単色化することも検討しましょう。

 

4. 納期

納期も価格に影響を与える要素の一つです。通常の納期(多くの業者では約2週間程度)であれば追加料金はかかりませんが、「イベントが間近に迫っている」といった理由で短納期を希望する場合は、特急料金が発生することがあります。

予算を抑えるためには、できるだけスケジュールに余裕を持って発注することが大切です。企画段階で早めに準備を進め、余裕を持った納期設定を心がけましょう。

 

【印刷方法別】名入れの費用相場と特徴

名入れには様々な印刷方法があり、それぞれに特徴と費用相場があります。ここでは、代表的な印刷方法である「シルク印刷」「パッド印刷」「インクジェット印刷」について、その特徴と価格感を解説します。

 

シルク印刷の費用相場

シルク印刷は、版にインクを付けて直接商品に転写する方法で、多くの素材に対応できる最も一般的な印刷方法です。特に、布製品(Tシャツやトートバッグ)や平面への印刷に適しています。
インクの色を調合して作るため、企業のコーポレートカラーなどを正確に再現しやすいのが特長です。一方で、色ごとに版が必要なため、色数が増えると版代と印刷代が高くなります。

項目

特徴

得意な商品

トートバッグ、Tシャツ、クリアファイルなど

メリット

・広範囲の印刷が可能

・耐久性が高い

・大量生産に向いており、単価を抑えやすい

デメリット

・色数が増えるとコストが上がる

・曲面や細かいデザインの再現は不向き

費用相場

版代:8,000円~10,000円(印刷範囲により変動)
印刷代:100円~200円/個(100~500枚の場合)

 

パッド印刷の費用相場

パッド印刷は、シリコン製のパッドにインクを付けて、スタンプのように商品に押し付けて印刷する方法です。ボールペンのような曲面や、凹凸のある素材への印刷に適しています。
比較的小さな範囲の印刷に使われることが多く、細かい文字やロゴの再現性が高いのがメリットです。シルク印刷と同様に、色ごとに版が必要となります。

項目

特徴

得意な商品

ボールペン、マグカップ、プラスチック製品など

メリット

・曲面や凹凸のある素材にも印刷可能

・細かいデザインの再現性が高い

デメリット

・広い面積の印刷には不向き

・色数が増えるとコストが上がる

費用相場

版代:6,000円~印刷代:15円~/個

 

インクジェット印刷(フルカラー)の費用相場

インクジェット印刷は、版を使わずに、プリンターから商品に直接インクを吹き付けて印刷する方法です。版代が不要なため、小ロットの注文や、アイテムごとに異なるデザインを印刷する場合に適しています。
写真やグラデーションといった、色数の多いフルカラーのデザインを鮮やかに表現できるのが最大の特長です。ただし、印刷代は他の方法に比べて割高になる傾向があります。

項目

特徴

得意な商品

アクリルキーホルダー、スマホケース、クリアファイルなど

メリット

・版代が不要

・フルカラーや写真印刷に対応

・小ロット多品種の生産に向いている

デメリット

・印刷代が比較的高価

・特殊な素材には印刷できない場合がある

費用相場

印刷代:100円~/個

 

その他の印刷方法(レーザー彫刻・刺繍など)

上記以外にも、高級感を演出できる「レーザー彫刻」や、タオルや衣類などに用いられる「刺繍」といった名入れ方法があります。これらは一般的な印刷とは異なり、独特の風合いと高級感が魅力ですが、コストは高くなる傾向にあります。特別な記念品や、VIP向けのギフトなどに適した方法と言えるでしょう。

 

【アイテム別】名入れノベルティの費用相場

ここでは、ノベルティとして人気の高い代表的なアイテム別に、名入れ費用の相場観を紹介します。商品本体の価格と、名入れ費用を合わせたトータルコストをイメージする際の参考にしてください。

 

ボールペン・文房具

ボールペンは、低単価で実用性が高く、ノベルティの定番アイテムです。展示会でのばらまきから、契約時の記念品まで幅広く活用できます。アスクルの例では、100本の注文で1本あたり約133円(税込)から製作可能です。

商品例

本体単価の目安

100個発注時の総額目安

プラスチック製ボールペン

30円~100円

10,000円~20,000円

多機能ペン・金属製ペン

300円~1,000円

40,000円~110,000円

 

トートバッグ・エコバッグ

レジ袋有料化以降、エコバッグやトートバッグの需要は非常に高く、企業のロゴなどを大きく印刷できるため、高い宣伝効果が期待できます。素材やサイズによって価格は様々ですが、不織布などの安価な素材も人気です。

商品例

本体単価の目安

100個発注時の総額目安

不織布バッグ

80円~200円

15,000円~30,000円

コットン・キャンバスバッグ

150円~500円

25,000円~60,000円

 

クリアファイル

書類の整理や配布に便利なクリアファイルも、ノベルティの定番です。広い印刷面積を活かして、サービス紹介や広告を掲載することができます。アスクルの例では、100枚の注文で1枚あたり約76円(税込)から製作可能です。

商品例

本体単価の目安

100枚発注時の総額目安

A4クリアファイル

30円~80円

7,000円~15,000円

 

タオル・ハンカチ

タオルやハンカチは、実用性が高く、日常生活で使ってもらいやすいアイテムです。特に年末年始の挨拶回りなどで利用されることが多いです。アスクルの例では、120枚の注文で1枚あたり約257円(税込)から製作できます。

商品例

本体単価の目安

100枚発注時の総額目安

ハンドタオル

100円~300円

20,000円~40,000円

フェイスタオル

200円~500円

30,000円~60,000円

 

マグカップ・タンブラー

オフィスや自宅で長く使ってもらえるマグカップやタンブラーは、ブランディング効果が高いアイテムです。特にステンレス製のサーモタンブラーは人気がありますが、単価は比較的高めになります。

商品例

本体単価の目安

100個発注時の総額目安

陶器製マグカップ

250円~600円

35,000円~70,000円

ステンレスタンブラー

500円~2,000円

60,000円~210,000円

 

カレンダー

年末の挨拶回りの定番であるカレンダーは、1年間を通してデスクや壁に置いてもらえるため、非常に宣伝効果の高いノベルティです。卓上タイプと壁掛けタイプがあり、デザインの自由度も高いのが特徴です。

商品例

本体単価の目安

100冊発注時の総額目安

卓上カレンダー

150円~400円

25,000円~50,000円

壁掛けカレンダー

200円~600円

30,000円~70,000円

 

ノベルティの名入れ費用を安く抑える5つのコツ

せっかくノベルティを作るなら、できるだけ費用を抑えたいと考えるのは当然です。ここでは、名入れ費用を安くするための具体的な5つのコツを紹介します。

 

1. 発注数を増やして単価を下げる

前述の通り、発注数(ロット)を増やすことが、単価を下げる最も効果的な方法です。すぐに使う分だけでなく、少し先のイベントやキャンペーンで使用する分まで見越して、まとめて発注することを検討しましょう。年間の使用計画を立て、一括で発注することで大幅なコストダウンが期待できます。

 

2. 印刷の色数を減らす

デザインに使用する色数を減らすことも、コスト削減に直結します。特にシルク印刷やパッド印刷では、1色増えるごとに版代と印刷代が追加でかかります。フルカラーでなくても、企業のイメージを損なわないシンプルな単色デザインにすることで、費用を大きく抑えることが可能です。

 

3. 安価な印刷方法を選ぶ

デザインや商品との相性もありますが、可能な限り安価な印刷方法を選ぶこともポイントです。例えば、単色のシンプルなロゴであれば、高価なフルカラー印刷ではなく、シルク印刷やパッド印刷を選ぶことでコストを抑えられます。業者に相談し、予算とデザインに合った最適な印刷方法を提案してもらいましょう。

 

4. 納期に余裕を持って発注する

特急料金を避けるため、スケジュールには十分に余裕を持たせましょう。ノベルティの製作には、見積もり、デザイン入稿、校正確認、製造といった工程があり、通常でも2週間程度の期間が必要です。 企画の初期段階から準備を始め、計画的に発注することが、無駄な出費をなくすことに繋がります。

 

5. 複数の業者から相見積もりを取る

同じ商品、同じ条件であっても、業者によって見積もり金額は異なります。必ず2~3社以上の業者から相見積もりを取り、価格やサービス内容を比較検討しましょう。その際、価格だけでなく、担当者の対応の丁寧さや、過去の実績、納期の正確さなども含めて総合的に判断することが、満足のいく取引の秘訣です。

 

名入れノベルティを依頼する際の流れ

初めて名入れノベルティを発注する方のために、一般的な依頼の流れを解説します。この手順に沿って進めることで、スムーズな発注が可能になります。

 

ステップ1:業者を選定し見積もりを依頼する

まずは、インターネット検索などでノベルティ製作業者を探します。業者のウェブサイトで取り扱い商品や価格例、実績などを確認し、気になる業者をいくつかピックアップします。そして、希望する商品、数量、印刷内容などを伝えて見積もりを依頼します。

 

ステップ2:商品と印刷内容を決定し発注する

複数の業者からの見積もりを比較検討し、依頼する業者を1社に絞ります。最終的な商品の仕様(色やサイズ)、印刷デザイン、数量、納期などを確定させ、正式に発注を行います。

 

ステップ3:デザインデータを入稿し校正を確認する

業者から指示された形式で、名入れするロゴなどのデザインデータを入稿します。データ入稿後、業者が印刷イメージの校正刷り(仕上がり見本)を作成してくれるので、文字の間違いやデザインのズレがないか、隅々までしっかり確認します。問題がなければ「校了(確認完了)」の連絡をします。

校正確認のチェックポイント

文字やロゴのスペル、誤字脱字

デザインの配置バランス、サイズ

色の指定(DICやPANTONEなど)

全体の仕上がりイメージ

 

ステップ4:製造・納品

校了の確認が取れ次第、業者は商品の製造を開始します。製造が完了したら、指定した納品先に商品が届けられます。商品が届いたら、発注した内容と相違ないか、品質に問題がないかを速やかに確認しましょう。

 

名入れノベルティ制作で注意すべき景品表示法とは

ノベルティを配布する際には、「景品表示法」という法律に注意する必要があります。この法律は、過大な景品類の提供を防ぐことで、消費者の不利益をなくし、公正な競争を確保することを目的としています。

 

提供できる景品類の最高額と総額を把握する

景品表示法では、消費者に提供できる景品類の限度額が定められています。取引の価額によって上限が異なるため、自社のノベルティがどのケースに該当するかを確認しておく必要があります。

例えば、商品やサービスの購入者を対象とする「一般懸賞」の場合、景品類の最高額は取引価額5,000円未満なら取引価額の20倍、5,000円以上なら10万円と定められています。一方、来店者全員に配布するような「総付景品」の場合は、取引価額1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2が景品類の最高限度額となります。

高価すぎるノベルティは景品表示法に抵触する可能性があるため、企画段階で上限額を意識しておくことが重要です。

【参考】景品規制の概要 | 消費者庁

 

まとめ

本記事では、ノベルティの名入れ費用の相場について、価格の内訳や変動要因、安く抑えるコツなどを網羅的に解説しました。名入れ費用は「本体代・版代・印刷代」で構成され、発注ロットや印刷方法によって大きく変動します。

この記事で紹介したポイントを押さえて、複数の業者から相見積もりを取ることで、ご自身の予算に合った最適なプランが見つかるはずです。ぜひ、効果的なノベルティ製作に役立ててください。