印刷物を見て、
こんなことを感じたことはありませんか?
「グレーのはずなのに、ちょっと緑っぽい…」
「ただのグレーなのに、なんか違う」
実はこれ、印刷あるあるの代表格です。
結論から言うと、グレーというのは色ブレが起きやすい色です。
まず大前提として、
印刷のグレーには2種類あります。
・K(黒)だけで作るグレー
・C・M・Y(+K)を混ぜて作るグレー
このうち、
トラブルが起きやすいのが
C・M・Yが混ざったグレー。
たとえば、
・C10 M10 Y10
・C5 M8 Y10
・C20 M15 Y15 K10
見た目はグレー。
でも中身は、立派な有彩色です。
つまり、バランスが少し崩れただけですぐ色が転ぶという、とても繊細な状態なんです。
理由はシンプルです。
インクは常に“完全に同じ”ではない
・インクの濃度
・印刷機の状態
・紙の吸い込み
・湿度・温度
これらが少し変わるだけで、
・シアンがわずかに強く出る
→ 緑っぽく見える
・マゼンタがわずかに勝つ
→ 紫っぽく見える
という現象が起きます。
しかもグレーは、違和感を感じやすい色なので、
ほんのわずかな差でも「色が変わった」と感じてしまいます。
もうひとつ厄介なのが、
画面と印刷の違い。
画面(RGB)では、
・C・M・Yの差が目立ちにくい
・光で平均化されて見える
そのため、
完全なグレーに見えてしまうことが多いんです。
でも印刷(CMYK)では、
・インクの差がそのまま出る
・紙の白さの影響も受ける
結果、
画面では気づかなかった色味が、紙の上で現れる
ということが起きます。
じゃあ、どうすればグレーは安定するの?と思いますよね。
答えは意外とシンプルです。
基本は「Kだけで作る」
・文字
・罫線
・小さな面積のグレー
これらは、
K○%のみで作るグレー
が一番安定します。
・K10 → 明るいグレー
・K30 → 中間グレー
・K60 → 濃いグレー
色ブレがほぼ出ません。
一方で、
・背景全面
・大きなベタ
この場合、Kだけだと
・ムラが目立つ
・軽く見える
こともあります。
その場合に限って、
・C・M・Yを同量で、少量だけ加える
という考え方をします。
ただしこれは目的を理解した上での設計が前提です。
不思議ですが、
・赤や青より
・ビビッドカラーより
グレーのほうが難しい。
なぜなら、
周囲の色の影響を受けやすく、違いに気が付きやすいから。
印刷会社的には、
「グレーがきれいな印刷物=レベルが高い」
と感じるくらい、
実は奥が深い色です。
今回のポイントを整理すると、
・C・M・Y混合のグレーは色ブレしやすい
・わずかな差で緑・紫に転ぶ
・安定させたいならKのみが基本
・グレーはシビアな色
最近くすみカラー等の流行で目に付くことが多いグレーですが、実はこんな色なんですね。
「ただのグレーだから大丈夫」
と思ったところに、トラブルは潜んでいます。
荒川印刷では、
・文字とベタの最適設計
・紙との相性を見た色提案
まで含めてサポートしています。
地味だけど、グレーは印刷の実力が出る色。
気になることはいつでもお気軽にご相談ください。