印刷データを作るときに、印刷会社からよく言われる言葉があります。
「塗り足しを3mmつけてください」
でも初心者の方からすると…
「塗り足しって何?」「なんで必要なの?」と疑問だらけですよね。
今回は、図を使わず“情景のイメージだけ”で誰でも理解できる塗り足しの話をお届けします。
印刷物は、まず大きな紙に印刷して、
最後にその紙を 断裁(カット) して仕上げます。
しかし、この“カット”という作業には、
どんな高精度の機械でも ほんの数ミリの誤差 がどうしても出ます。
その誤差を吸収して、
「白い縁が出ないようにする」ためにあるのが 塗り足しです。
ちょっと例を出してみます。
あなたは大盛りが自慢のカレー屋さんです。
お皿の“フチいっぱい”まで、カレールーをよそわなければいけません。
ぴったり入れようとしたら、どうなりますか?
ちょっと手がぶれただけで……
・カレーが足りず、端だけ白い皿が見える
・フチの形に合わせてよそうのが難しい
そんな状態になりますよね。
逆に、こぼれるくらいよそっておけば、
多少ズレてもお皿全体がカレーで覆われて安心です。
これがまさに「塗り足し」の役割です。
実際の印刷でも同じことが起こります。
名刺やチラシの背景が端までベタ塗り(全面色)になっていると……
カットがわずかにズレた瞬間、
・端に細い白い線が出る
・そこだけ色が欠けたように見える
という“仕上がりの事故”が起きてしまいます。
でも印刷は大量に仕上げるため、1mmのズレでもすべての部数に影響が出ます。
だからこそ、
端に向かって続く背景は、仕上がりサイズより外まで広げておく必要があるわけです。
これが塗り足し。
塗り足しをつけることは、
「ミスに備えるため」ではありません。
印刷業界では当たり前のプロセスであり、
・カットの精度を高める
・仕上がりをキレイに見せる
・デザインの世界観を守る
ための 前向きな工夫 です。
「プロの仕上がり」をつくるために欠かせない要素といってもよいでしょう。
一般的には
・上下左右 3mmの塗り足し
が標準です。
印刷物によって異なる場合もあるので、
迷ったら印刷会社に確認すると安心です。
もし塗り足しが無い状態で入稿すると……
・データを戻して再入稿になる
・印刷会社側で自動処理するとデザインが意図しない形に広がる
・急ぎの案件でスケジュール遅延が起こる
などの問題が起こる可能性があります。
塗り足しをつけておくのは、効率よく・確実に良い印刷物をつくるための必須ステップなんです。
・印刷→カットの工程では数ミリの誤差が起きる
・白い紙が見えないように、背景を外側へ広げておく
・仕上がりを美しくするためのプロの工夫
・基本は上下左右3mmが目安
塗り足しは、知ってしまえばとてもシンプルな仕組みです。
「なぜ必要か」が理解できれば、印刷データづくりがぐっと楽になりますよ。