以前ブログでご紹介しましたユニバーサルデザインのなかの1つの手段、ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)のご紹介です。
人は情報の80パーセント以上を「目からの情報」で判断します。多様化が進み、情報過多となった現代社会では、より多くの人に伝わりやすい「情報のユニバーサルデザイン」が求められています。
ユニバーサルデザインは「あらゆる人々にとって使いやすいデザイン」のこと。
「公平性」や「分かりやすさ」などの7つの原則は、たくさんの人がその恩恵を得られるための考え方です。ユニバーサルデザインの考えに基づき、多くの人にとって読みやすく設計されたフォント、それが株式会社モリサワ様の開発したユニバーサルデザインフォント(以下、UDフォント)です。
UDフォント3つのコンセプトから生まれました。
UDフォントの特長は、多くの人の目に触れたり、必要な情報を的確に伝える場面で力を発揮します。
視覚情報の中でも文字の役割は高く、読み間違いは特に大きな事故に繋がることもあります。薬の量を間違えたり、金額を読み間違えて振り込んでしまったり・・・。
特に数字の読み間違えは、生命や財産に関わる問題になりかねません。UDフォントは数字やアルファベットなど、形が似ている文字を読み間違えないよう、工夫されています。
また、慶應義塾大学中野泰志教授の協力による検証が行われ、見やすさのエビデンス(科学的根拠)を取得していることも大きな強みです。
実験結果等については次回のブログでご紹介します。
今回UDフォントのご紹介をするにあたり資料をご提供頂いた株式会社モリサワ様。長い年月をかけてUDフォントを開発したそうです。そしてこの度、東京2020オフィシャルサポーター(フォントデザイン&開発サービス)として「東京2020公式フォント」を提供されています。
東京2020公式フォントもUDフォントと同様の考えに基づいて開発されています。大会時は、世界中から多種多様な方が日本を訪れることになります。その為、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れた文字が最適だという結論になったからです。
来年に延期となった東京2020大会で株式会社モリサワ様が開発した文字が自然と目に入ってくることでしょう。
次回はUDフォントの中でも、教育に特化したUDデジタル教科書体のご紹介を予定しています。
最後に取材や資料の提供にご協力いただきました株式会社モリサワ様、ありがとうございました。