この柄はチェック柄?
この脚の部分のように、画像には本来ない模様が現れる現象があります。
これは「モアレ」という現象で、目をチカチカさせたり、元の柄をもやもや分かりにくくさせ、様々な形に変容し発生します。
特にレンガ、ブラインド、金網、柵やネットなど同じ形が等間隔で連続している部分に多発するので、お気に入りの服(ボーダー、ドット、チェック)も起こる可能性があります。
他にも印刷物(パンフレットやチラシ、広告など)をスキャナーでコピーして資料やレポートを作成した時、実物には無いのにコピーをとったら現れたり、マンガや同人誌に詳しい方ならトーンの重ね貼りで一度は経験した方もいるはず。
どうしてモアレが起こるの?
なぜモアレができるのかというと、そもそも印刷物で色の表現は点々で塗られています
そして、4色を重ねて色を表現しています。
絵の具では黒と白を混ぜてグレーをつくりますが、紙の白と小さな点の面積比でグレーをつくるほうがグラデーションや写真の繊細な色を表現するのに最適なんですって。
それで、この点たちの規則正しい模様が4色それぞれが重ね合わさったとき、わずかなズレで発生するようです。
モアレを防ぐには?
印刷会社では一般的にこのように角度を決めており、変なズレが発生しないようにしモアレ対策万全です。
ですが、印刷前のデータ作成時に現れることもしばしばで、そのときはぼかしたり、彩度を暗くしたりすることで撃退してます。
例えば
ここがモアレってます。
この箇所だけをぼやかせば自然な仕上がりに。
はじめはなかったのに、画像の大きさを変える・シャープをかけるとでてくることもあるので要注意してください。
電子書籍のマンガでは、AI(人工知能)で画像を処理しスクリーントーンなどによって生じるモアレの縞模様やまだら模様を細部まで抑制し、細い線でも鮮明に、より自然な画像に仕上げてくれる新技術があるらしいです。
モアレを利用してみよう
このように避けている悪印象なモアレですが、わざと発生させて利用することも。
名古屋市栄にあるLouis Vuittonの外壁は市松模様が2重に重なっている仕組みでモアレを引き起こしています。あえて利用し、目を引かせるデザインですね。
ある本でモアレのつくり方を知ったので、私もつくってみました。
意図的に色ごとの角度をずらし重ね合わせモアレを発生させたものです。実際作ってみてきれいなモアレ柄が出来たと思うんですが、これはこれできれいな柄としてなりたっていておもしろいのではないかと思いました。