「RGB」「CMYK」という言葉をご存知ですか?
パソコンでデザインや写真の加工をしたことがあればご存知かもしれませんが、馴染みのない方もいると思います。これは両方とも色の表現方法を指す言葉です。
なぜ2種類あるのでしょうか? どのような意味の用語なのでしょうか?
その違いをご紹介します。
RGBとは
私たちが「もの」を見るためには「光」が必要です。
まったくの暗闇ではどこにどんなものがあるのか見ることができませんし、手で触れることができても色を知ることはできません。
「光」を思い浮かべてみてと言われると、太陽光のような「白っぽい」「透明のようなもの」をイメージするかもしれませんが、実はそれは白ではなく無数の色が組み合わさってできているため、白っぽく見えているだけです。その光が「もの」に反射し、目に入ってきた光によって私たちは「色」を知ることができます。
無数にある光の色のうち、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の組み合わせによって、この世に存在するほとんど全ての色を作り出すことができます。
この3色を最も基本の色として「光の三原色」と呼んでいます。その頭文字を合せた言葉が「RGB」です。
どのように色を表現するのかというと、例えば、赤いスポットライトと緑のスポットライトを同じ場所に照らすと、黄色に見える光ができます。
明るさの弱い赤と、明るさの強い緑を組み合わせると、黄色とはまた違った色の光ができます。このように3色の明るさの比率を変え、光をひとつに組み合せることで色を自由に表現できます。
実際に私たちが普段の生活で色の光を組み合わせる場面があるとすれば、パソコンやテレビなどの発色を調整したり、Webデザインを作成するときなどでしょうか。
その場合RGBの各色に0~255の段階がつけられており、その数値を変化させることで色を表現します。3色すべての値をマックスの255にすると白、0にすると黒を表現することになります。
このように、値が大きいほど白に近づく、重ねれば重ねるほど白くなる混色方法を「加法混色」と言います。
CMYKとは
主に印刷に使われる発色方法で、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)の「色の三原色」を混ぜ合わせて色を作り出す表現方法です。
RGBの「加法混色」に対し、CMYKは「減法混色」と言います。
白色光に色フィルターやインクなど特定の色光を吸収する物質を重ね合わせ、吸収されずに残った光により別の色を作る方法です。
例えば白色光を黄(Y)フィルターに通すと、Y以外の波長光はフィルターに吸収され、Yだけが通過し光が黄色くなります。
ここにシアン(C)フィルターを加えると、緑(G)と青(B)の波長光を通過させるはずですが、すでにBはYフィルターに吸収されているので、Gの波長光のみが通過し、光は緑色になります。
このように、引き算のように特定の波長光を間引くことで色を作りだします。
絵の具や印刷インキに含まれる顔料は、光を反射する際に上記のフィルターのように特定の波長光を吸収してしまうため、重ねれば重ねるほど黒色になります。
理論上ではCMYを100%ずつ重ね合わせれば真っ黒を表現できるはずですが、一般的に用いられるインクにどうしても一定程度の不純物が混ざり込んでいることや、紙の白が見えてしまうという特性により真っ黒を表現することができません。
そこで「CMY」とは別の黒インク「K」を併せて用いるようになり、その4色を合わせた言葉が「CMYK」です。
なお「K」はどこから取った頭文字かと言うと、Black(「B」だと他の色と紛らわしいので末尾の「K」にした)という説や、Key Plate(より深いコントラストを得るために、より暗い色で輪郭や濃淡などを印刷するための版のこと)という言葉の頭文字から取ったなど諸説あります。
まとめ
いろいろと難しい言葉で説明をしましたが、ざっくり言うとRGBはディスプレイ用、CMYKは印刷用の表現方法です。
パソコンで閲覧していた鮮やかな画像をプリントしてみると色がくすんでしまった、暗くなってしまったという経験がある方もいると思います。これは、RGBの方がより鮮やかでたくさんの色が再現可能であり、CMYKでは一部再現できない色の領域があるのでCMYKで表現できる最も近い色に置き換わっているからです。
例えばイラストレーターやフォトショップといったソフトでチラシを制作した場合、それをWebサイトに掲載するのか印刷するのかによって「カラーモード」という項目からRGBかCMYKを選び使い分けることができますが、ワードやパワーポイントといったオフィス系のソフトだとRGBカラーでしかデータを作成することができません。
これらを用いたデータの印刷をしたい場合、思い通りの色に仕上がらないかもしれないので注意が必要です。イメージ通りの印刷物を作るために、これらのお話がお役に立てば幸いです。