文芸誌『メフィスト』の新しい挑戦

2022/02/18

今年の1月1日。正月早々に郵便受けを覗くと講談社から冊子が届いていました。年末には届いてたよう。

何を注文したか考え込んでしまいました。最近は電子書籍で買うことが多く、心当たりがなかったのです。

封を開けてみると、思ったより厚みのある冊子。デザインも素敵。

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謎を愛する本好きのための読書クラブ「メフィストリーダーズクラブ」

昨年の10月にサービスを開始した「メフィストリーダーズクラブ(Mephisto Readers Club)」から届いたらしい。このサービスは、講談社が運営する定額会員制の読書クラブ。昨年の11月末日まで無料会員登録ができるということで、気軽に登録したのを忘れていました。

無料会員なのに、こんな立派な冊子が送られてきたことに驚き、会員登録をしたかを確認すると、無料会員のままでした。勝手には有料会員にはならないようです。


それほどの読書家でもないので詳しくなかったのですが、講談社が発行する文芸誌『メフィスト』(mephisto)は1996年に創刊され、ミステリを中心に伝奇小説、SF小説などエンターテインメント小説を広くあつかう小説誌。『小説現代』増刊号として年3回発行されていたらしい。25年の歴史がある『メフィスト』が、2021年に「メフィストリーダーズクラブ」としてリニューアルしたとのこと。

以前からも公式ウェブサイト『webメフィスト』も公開され、ウェブのみの掲載作品などもあったようですが、今回のリニューアルでサイトも刷新。ビジュアルも今どきなステキなサイトになっています。定額制というのが新しい試みで、会員限定の特典がいくつかあります。その1つが年4回の季刊小説誌『メフィスト』が郵送で届くとのこと。『メフィスト』の第1号が無料会員にも郵送されたようです。

無料会員にも届けられた第1号の執筆陣は、島田荘司、森博嗣、西尾維新、辻村深月、五十嵐律人というどれも読み応えのある作品。しかも、全て第1回とあるので続くのでしょうか。次回からは、冊子が届くのは有料会員のみとのこと。今回はお試しだけど、しっかりとした装丁の冊子と作品が届くのはインパクトがありました。有料会員を検討したくなる仕掛けとしては十分。月額会員は550円(税込)は安いのでは?と思えてしまいます。

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紙へのこだわりも見せながらもウェブの機動性も活用

定額制サービスというと動画や音楽のサブスクリプションサービスが想像されます。同じようなものに、Amazonが運営する電子書籍の読み放題サービス「Kindle Unlimited」などがあリますが、それとは全く違うようです。

紙から電子版に形を変えつつ、「新しい小説誌の形はないか」という模索から生まれたもので、ただ提供される小説を読めるだけのものではなく、著者と読者が出会える場所を提供する、手作り感のある読書クラブを作りたいという想いがあったようです。

その上で会員だけがアクセスできるコンテンツやLINEと連動するなどデジタルな部分も活用。小説は紙で自宅に届き、それ以外は即時性の高いウェブで読めるよう、その両方を満たしているのが特徴なんだそうです。

具体的に提供されるのは次のようなもの。

  • 会員限定小説誌『メフィスト』の送付(年4回)
  • 作家や書評家を招いたオンライントークイベント
  • サイン本&限定グッズの販売
  • 本ソムリエのAI診断
  • 書評家による新刊レビュー
  • 作家&編集者が創作秘話を明かす動画メッセージ
  • 名作の解説などのオンライン授業
  • 書き下ろし掌編、リレーエッセイなどのオリジナル企画
  • 本づくりの裏側、限定グッズの制作工程を随時公開


紙で小説誌「メフィスト」が実際に手元に届くのはインパクトがありました。コロナ禍を受けてなんでもペーパーレスになります。もう全部電子で良いんじゃないかなという空気がある中で、ボリュームのある冊子を手に取る体験は新鮮でした。

会員になると次号から郵送されますが、これまでの作品は会員になるとすぐにサイト内のブラウザ版で読むことができます。これまでの作品を読みながら続きの冊子が届くのを待つことができます。

講談社の「メフィスト」が展開する新しいサービスは、読書ファンにどう届いていくのでしょうか。

 

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タグ: マーケティング

執筆者: TS部 佐藤新一

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