少子化が進む中、多くの大学・専門学校では受験生の確保が大きな課題となっています。従来の方法だけでは志願者の確保が難しくなり、より工夫を凝らしたアプローチが求められるようになっています。
そこで、本記事では、受験生に響く情報発信の方法や、学校の魅力を効果的に伝える工夫について考えていきます。また、共学化や新しい学科の設置が受験生にどのような印象を与えるのか、それをよりよく伝える方法についてもご紹介します。
1. 少子化の影響と学生募集の現状
近年、日本の少子化はますます進んでおり、大学や専門学校の受験生数も年々減少しています。特に地方の学校では、志願者の確保に苦戦しているところも多いのではないでしょうか。
文部科学省の統計によると、18歳人口は今後さらに減少すると予測されており、これまでのような募集戦略だけでは十分な成果が得られにくくなっていると考えられます。
また、受験生の進学先を決める方法にも変化が見られます。これまではパンフレットや説明会が中心でしたが、最近ではSNSや動画コンテンツを活用して情報を集める受験生も増えています。こうした変化にどのように対応していくかが、今後の学生募集の鍵となりそうです。
2. 学校改革のアピール方法(共学化・学科新設など)
学校の魅力を高めるために、共学化や新設学科の導入を進める学校も増えています。こうした改革は学校のブランド価値を高めるきっかけにもなりますが、その魅力を十分に伝えられなければ、期待していたほどの成果につながらないかもしれません。
では、共学化や新設学科をどのようにアピールすれば、受験生や保護者の関心を引くことができるのでしょうか?
共学化の効果的な伝え方
共学化を進める際、ただ「男女共学になりました」と伝えるだけでは、十分な訴求力が生まれないこともあります。受験生や保護者が興味を持ち、共学化のメリットを実感できるようにするためには、次のようなポイントを意識してみるとよいでしょう。
- 共学化の背景や意図を明確に伝える
「なぜ共学化を決めたのか?」という理由を丁寧に説明することで、共感を得やすくなります。 - 学校生活の変化を具体的に示す
在校生のインタビューや対談記事を活用し、共学化後の学校の雰囲気をリアルに伝えると、受験生もイメージしやすくなります。 - 卒業後のメリットを訴求する
男女共学の環境が、社会性の向上やキャリア形成にどのようにつながるのかを示すことで、より具体的な価値を伝えることができます。
新設学科のアピールポイント
新しい学科を設置する際も、受験生が「ここで学びたい」と思えるような伝え方が重要になります。
- 社会のニーズとの関連性を示す
「この学科で学ぶことで、どのような職業に就けるのか?」という点を明確にすると、進学後の将来像を描きやすくなります。 - 授業内容やカリキュラムの特色を伝える
実践的な学びや専門性の高さを、わかりやすく紹介すると、学科の魅力が伝わりやすくなります。 - 他学科との違いを強調する
既存学科との違いや、この学科ならではの強みを明確にすることで、受験生の興味を引くことができます。
4. 受験生に届く情報発信の方法
情報発信の手段が多様化する中、受験生に的確にアプローチするためには、ターゲットに応じたメディアを活用することが大切です。学校の魅力を最大限に伝えるためには、「どの層に」「どのメディアで」「どのような情報を」届けるのかを整理し、それぞれに合った発信を心がけるとよいでしょう。
たとえば、以下のようなターゲット別の情報発信が考えられます。
高校3年生向け
高校3年生は、進学先を具体的に検討する時期です。学びの内容や就職実績、奨学金制度といった詳細な情報を求める傾向があります。そのため、大学案内パンフレットや進学情報サイト、公式Webサイトでの情報提供が有効です。また、オープンキャンパスの開催案内も重要な要素となります。
高校1・2年生向け
まだ進学先を具体的に決めていない高校1・2年生には、学校の存在を知ってもらうことが第一歩です。この層には、SNS(Instagram・TikTokなど)やYouTubeを活用した学校紹介動画、模擬授業や体験イベントの案内が効果的です。リアルな学校生活の様子や、在校生の声を発信することで、自然と興味を持ってもらいやすくなります。
保護者向け
受験生本人だけでなく、保護者の関心も学生募集において重要な要素となります。保護者は、学費や奨学金制度、就職実績、進学後のサポート体制に注目する傾向があります。そのため、公式Webサイトや資料請求のパンフレットに、具体的なデータや卒業生の進路情報を掲載するとよいでしょう。また、保護者向けの説明会や個別相談会を開催し、学校の魅力を直接伝える機会を設けるのも効果的です。
5. 学生募集戦略の実践方法
学生募集では、複数の手法を組み合わせる「メディアミックス」が効果的です。
近年はデジタル施策が主流になりつつありますが、紙媒体との組み合わせることで、より印象に残る情報発信ができます。スマートフォンで手軽に情報を得られる一方で、紙のパンフレットやポスターを活用することで、受験生や保護者が「手に取って確認できる資料」として長く保管しやすくなります。また、視覚的・触覚的な刺激が加わることで、情報への理解や記憶の定着を助ける効果も期待できます。
たとえば、次のような組み合わせが考えられます。
SNS × 公式Webサイト
SNSで学校の雰囲気や最新情報を発信し、興味を持った受験生を公式Webサイトへ誘導することで、より詳しい情報を提供できます。
パンフレット × デジタルコンテンツ
紙のパンフレットにQRコードを掲載し、特設サイトや動画コンテンツへ誘導することで、紙媒体とデジタルを連携させた効果的な情報発信が可能になります。
オープンキャンパス × 動画配信
オープンキャンパスに参加できなかった受験生向けに、学校紹介動画や模擬授業の映像を配信することで、遠方の受験生にも学校の魅力を伝えることができます。
このように、ターゲットごとに適したメディアを活用し、デジタルと紙媒体をバランスよく組み合わせることで、より多くの受験生や保護者に届く効果的な情報発信が可能になります。
6. まとめ:最適な戦略で学生募集を成功させるために
学生募集を成功させるためには、次のようなポイントを意識するとよいかもしれません。
- ターゲットに応じたメディアを活用する
- デジタルと紙媒体を組み合わせた情報発信を行う
- 学校改革(共学化・学科新設)の魅力をわかりやすく伝える
荒川印刷では、パンフレットやポスターなどの印刷物だけでなく、Webサイトやデジタル広告を活用した広報戦略の提案も可能です。長年にわたる大学関係のお客様との取引経験を活かし、効果的な情報発信のお手伝いをいたします。