皆さんはカラーユニバーサルデザインという言葉はご存じですか?
打ち合わせをしている中で、お客様からカラーユニバーサルデザインという言葉を聞くことが増えてきました。
各自治体では「カラーユニバーサルデザインのガイドライン」を作成するなどして、公共性のある刊行物を制作する際に、カラーユニバーサルデザインやメディアユニバーサルデザインに配慮しながら取り組むことが増えてきています。
今回はカラーユニバーサルデザインについてご紹介します。
カラーユニバーサルデザイン(CUD)とは?
どんな人にでも、分かりやすい色の配色やデザインで、より多くの人に利用しやすい製品や施設・建築物、環境、サービスなど、情報を提供する考え方を言います。
その考え方は、情報格差が生じないように安心・安全な社会づくりにも繋がっています。
色にはイメージや性質があります。見る人の心を動かす力があると同時に、情報をより分かりやすく伝えることができます。
パソコンや印刷技術の発展と共に誰でも簡単に色を生み出すことのできる現代社会では、情報発信の方法が増え、色を使った情報がたくさんあります。より多くの人に情報を正しく伝えることは、とても大切になってきています。
たくさんの色を使えばいい?
日常でよく見るもので、色によって情報が整理されているものといえば、電車の案内図、家庭に配布されているごみ収集日のカレンダー、天気予報の地図、ホームページ、各種家電製品のLEDなどがあります。
多くの色を使えば見やすくなるかといえばそうではありません。色の組み合わせによっては、かえって分かりずらく、情報が正しく伝わらなくなり、情報格差が生まれてきます。
「色はすべての人が同じように見えている」という前提で色を使っていますが、実際には色の見え方は人によって違います。高齢者・弱視者(ロービジョン)・目の病気によるものも、その1つになってきます。
一般的に見える色
色弱の方の見え方(P型)
色弱の方の見え方(D型)
カラーユニバーサルデザインの3つのポイント
カラーユニバーサルデザインを意識するにあたり、3つのポイントを押えて作成しています。
- より多くの人に見分けやすい配色を選ぶようにする。
- 色を見分けにくい人にも情報が伝わるようにする。
- 色の名前を用いたコミュニケーションを可能にする。
情報格差が生じないようにするカラーユニバーサルデザイン
カラーユニバーサルデザインは決して、「一部の色弱者の為だけに作ったデザイン」や、「一般の人にはむしろ見にくいデザイン」ではありません。
伝えたい情報の優先順位を考え、情報の受け手が感じる印象や心理を考慮しながらデザインし、創り手の感性に加えて、利用者の視点に立って、情報格差が生まれないように、情報を正しく伝えることを追求したデザインです。
その結果として、色弱者などにとっても「情報を正しく受け取れる、人にやさしいデザイン」が作られることになります。
カラーユニバーサルデザインは、どんな人でも情報を正しく受けとれ、情報格差が生じないようにしていける、大切なものなのです。
印刷物だけでなくWebサイトにも
印刷物以上に不特定多数に見られる可能性のあるWebサイトにも誰もが抵抗感なく見えるデザインが必要とされます。
印刷物とWebサイトでは色の見え方は変わってきます。パソコン画面は RGBの3色で再現し、印刷物はCMYKの4色で再現されている為、微妙に色は変わってしまいます。
参照:「RGBカラー」と「CMYKカラー」の違い
このように、需要が高まってきているので、荒川印刷でもカラーユニバーサルデザイン(CUD)名古屋の企業会員になりました。
カラーユニバーサルの観点から、お客様とその先のエンドユーザーの視点に立って、色を含めた情報を正しく伝える工夫ができるように社内で勉強会を始めました。
年齢や能力にかかわらず、どのユーザーにも情報がきちんと伝わる、色使いに配慮したユニバーサルデザインを心がけたいと考えています。
今後、このブログでもカラーユニバーサルデザインの情報を発信していければと思っています。