高精細印刷という存在をご存知でしょうか。
皆さんが普段目にしている印刷物よりもきれいに刷り上げることができます。
前回の記事で印刷物は点々で色をつけていることを書きましたが、高精細印刷は従来よりもっと小さい点で色をつけていくため、よりきめ細かい描写も表現ができるため、まるで写真のようなリアルな仕上がりになります。
このように同じ画像データを刷り分けた場合、拡大し近くで見ても違いは一目瞭然です。
従来では赤、青、黄色の点が目立ってしまいますが高精細なら目立ちません。さらに前回記載したモアレが現れないことと、にごりの少なく彩度の高い色の出せるメリットもあります。
他にも細かい文字、淡い色の細かい線を得意とし、人物の肌の柔らかいグラデーション、金属の質感の再現が豊かなので美術・展示品の図録、商品カタログに向いています。さらに集合写真での顔の判別、衣装の装飾部まで一般の印刷より可能になるため、記念誌・写真集・作品集やアルバムの作成にはぜひおすすめしたいです。
高詳細印刷のデメリット
メリットしかなさそうな高詳細印刷ですが、デメリットもあります。ハイライトとシャドウ部分の調子が難しいことと、色が濃くなりやすいことです。
これらの原因は小さい点にあるんです。
印刷する際、点の集まりで紙に表現すると前回の記事で記しましたが、その点々がドットゲインの影響を受けやすいからです。ドットゲインとは本来あるべき濃度(データ上の濃度)と実際の濃度が違ってしまう現象をいいます。
これはインキと紙が印刷の際に圧力をかけられ、インキが伸びてしまうからです。
この一つ一つの点が太ることで、全体の色が濃く見えるのです。
それでも魅力的な高精細の印刷
この現象はどんな印刷でも網点がある限り避けて通れない気をつけなければならないことなのですが、高精細印刷は従来よりも点が小さく数も多いためどうしても影響されやすくなってしまうのです。
とはいっても、そんなに激しく濃く変化してしまうわけでもないので艶やかさ・きれいさを重視するのなら普通の印刷より秀でていると思います。
テレビ画面でも4K、8Kだとかハイビジョン、フルハイビジョン等のものやiPhoneなどのスマートフォンでも高精細のディスプレイがあったり、充実したカメラ機能により撮影した写真もクオリティーの高い、きれいな画質で身近に触れられているなかで、アナログの画像表現でもきれいさを意識してみたり求めてみてもいいんじゃないかと思いました。