荒川印刷では自動車のエアロパーツ・エクステリアの分野で取付・取扱説明書の制作を行っております。
機器や道具などの操作方法やどのように扱うのかを説明している文章、冊子などのことを説明書・マニュアルと指す訳ですが、それらの制作作業のことをテクニカルライティングと言います。そして、制作の作業者のことをテクニカルライターと言います。
今回はその制作を簡単に紹介いたします。テクニカルライターについて詳しく知りたい方は当ブログの「テクニカルライターとは、どんな仕事?」(2019/08/7)をご覧ください。
https://blog.arkw.co.jp/2019/08/technical-writer
2種類の説明書
まずは弊社が制作している説明書について、主に説明書の制作は2種類に分けられます。
・取付説明書
商品の自動車への組み立ての際に、どのように取り付けするかを説明している説明書。
ディーラー様(特定の自動車メーカーの車を直接的に販売・メンテナンスするお店)
に向けて制作される説明書。
・取扱説明書
機器や道具をどのようにして扱えばよいのかを説明している説明書。
エンドユーザーである自動車の購入者様に向けて制作される説明書。
取付説明書はディーラー様向け、取扱説明書は購入者様と「読み手」が異なります。そのため、制作物の内容が「伝わる」文章として「読み手」に分かっていただくためには「読み手」の立場になって文章を書く必要があります。「読み手」はどのような人で、どのような行動をしていただきたいかを明確にしていくことが重要となります。
取付・取扱説明書の制作の流れ
・商品の確認・検討
取付・取扱説明書の制作依頼を頂いた際、商品の取り付けや取り扱いの手順を知るために実際に取り付け・取り扱いの作業を確認していきます。お客様の作成資料や過去の弊社で制作した取付・取扱説明書をベース原稿の内容として検討していきます。
具体的には、自動車メーカー様へ伺い、実際の取り付け・取り扱い作業に立ち会ったり、打ち合わせを通じて、記載事項の詳細を詰めたりします。時には商品をお借りし、弊社でも取り付け・取り扱いの作業を再度行い、漏れがないように注意深く作業を進めていきます。一度の確認作業では気づかない疑問点が見つかることもあるので、しっかりと時間をかけて慎重に行います。
・作業を説明として落とし込む
作業の内容を確認した後は、作業手順の説明として文章に変換していきます。先ほど「説明書の種類」の章で記述した通り、「読み手」の立場に寄り添っていくことが重要となっていきます。
そのために、手順や方法をしっかりとなぞることを重点に置いて説明していきます。
「カーナビ」を例に説明すると、しっかりと筋道がなぞれている場合は目的地まで迷わないように進むべき道が示されています。
これが、しっかりと筋道がなぞれていない場合は、余分な経路を示し、行ったり来たりと道草を食いながら目的地に進まなければいけません。手順や方法をしっかりとなぞることは「読み手」が短時間で目的を達成することに繋がります。
・作業のイラスト化
作業手順の説明を文章として落とし込んだ後は、作業手順の1ステップ毎にイラスト化していきます。
上図のように取り付けや取り扱いの作業を説明する際に切っても切れないのがテクニカルイラストとなります。詳しくは当ブログ「テクニカルイラストレーターってどんな仕事?」(2018/09/7)をご覧ください。
https://blog.arkw.co.jp/2018/09/technical-illustration
どんなに腕のいいテクニカルライターでも文章だけでは理解しきれない部分が生じてしまいます。それを補ってくれるのがテクニカルイラストとなります。
弊社ではテクニカルイラストを専門とするエキスパートが在籍しており、イラストの正確さで一定の評価をお客様から頂いております。
作業手順を落とし込んだ文章を技術的見地から、イラストとして表現していきます。
・原稿作業
文章と出来上がったイラストがお互いに齟齬がないことを確認ができた後、原稿の作成、レイアウトなど取付・取扱説明書を商品にするための一連の作業を行っていきます。
・修正・校了
取付・取扱説明書として最初に出来上がったモノを初校と言います。初校をデータ送付という形でお客様へご確認していただきます。
そこから文言やイラストのお客様からのご指摘を受け、修正を施していきます。修正の回数は1回で終わることもあれば、自動車パーツの仕様の変更に伴い、大幅に修正が必要になったり、細かい文言の修正が行われたりします。修正期間は非常に短い納期にも迅速にご対応できるように常に万全の状態で作業を行っております。
そういった修正を経て、商品として印刷しても差し支えない状態になることを校了といいます。
自動車のエアロパーツ・エクステリアの分野で取付・取扱説明書制作の流れを紹介させていただきました。少しでもご理解いただけましたら幸いです。
取付・取扱説明書(マニュアル)に関するお問い合わせは下記よりお問い合わせください。