イラストレーターへのわかりやすいイラスト指示とは?

2022/12/22 ( 2022/12/21 更新)

2208_instructions

前回の話に引き続き、マニュアル作成(以降、取付説明書・取扱説明書・マニュアルはマニュアルに統一します。)の深堀りとして、今回はもう少し突っ込んだ話をします。
前回の記事については下記リンクをお読みください。

「2022年 8月17日 取扱説明書ができるまで。」

 

マニュアルの肝、テクニカルイラスト

テクニカルイラストとは、ざっくり言いますと商品の「取り付け・取り扱い方」やパーツを細かく記載しているイラストのことです。


身近な物だと、家電製品の取扱説明書、インテリアの組み立て方法を記載した組立説明書などによく使われています。文字だけではイメージが付かない場合にテクニカルイラストが補助としてあることによって、痒い所に手が届くような補助的役割で、必要不可欠な部分となります。イラストのクオリティが上がれば、非常に分かりやすいマニュアルにグッと近づくことになります。


そんなテクニカルイラスト作成の流れを今回は紹介していきたいと思います。

 

1. テクニカルイラストの画像

商品の画像やクライアントから頂いたCADデータをイラストレーターに提供し、商品の概要やイメージを共有します。他にもイラストレーターが必要だろうと思う情報を、先にお客様から頂いて共有をしています。私の場合、車のオプション品のマニュアル作成をしていますので、車種名やネジの名称などや取り付け穴の位置等の情報を事前に頂きます。

2022.11_instructions01

 

この際、初校の納期時期や校了予定日を確認し、マニュアルに載るイラストの予定枚数に対して作成にかかる時間をイラストレーターと相談しながら調整する必要があります。ここでだいたいどれくらいのペースでマニュアル作成を進めていけばいいかを判断します。

中にはイラストの作成時間に対して、納期が短いのであれば協力会社のイラストレーターの方にイラストの一部の作成を委託する等して完成を間に合わせるように進めていきます。

 

2. マニュアルの製品説明文を作成する。

ここからはイラスト作成の流れについて説明します。
まずイラストを作成するにはマニュアルの内容をまとめる必要があります。何を説明するか決まってないままではイラストの修正が多くなってしまうので、できるだけ修正が無いようにマニュアルの内容を確定します。

そうすれば商品への理解度が上がるので、イラストレーターがマニュアルの流れを掴みやすくなります。

 

3.マニュアル作成指示書の作成

マニュアルを基にイラストで描く内容を固めていきます。そして、その内容をイラスト作成指示書に落とし込んでいきます。
イラストレーターの方は基本的に撮影した画像をトレースする形でイラストに起こすので、それに沿って画像に加工をしてマニュアル作成指示書を作っていきます。指示書には必要不可欠な指示を記載します。下記が作成指示書に記載する指示となります。

・イラストの大きさ 
・フォントの種類、大きさ
・イラストのべ―スにする画像指定
・管理番号
・イラスト強調箇所
・イラストの名称の記載、矢印記号、名称

イラスト作成の設計書のようなものを1枚1枚、予定枚数分を作った後にこれらの内容がマニュアルの内容に即しているか、必要のない箇所あるいは必要な箇所があるかを確認していきます。


2022.11_instructions02

 

4.イラストレーターへの作成依頼

読み手であるお客様にとって分かりやすくを意識し、伝わりやすいイラストを描いてもらえるように、前項(3. マニュアル作成指示書の作成)で固めた作成依頼をイラストレーターにチェックしてもらいます。

イラストレーターが作成指示で疑問に思った点については、私からの説明やお客様からの資料を追加で頂くことで理解度を上げていきます。

5.イラストチェック

最後に、出来上がったイラストが間違ってないかを確認します。作成したマニュアルの内容と照らし合わせてイラストに齟齬が生じないかを慎重に見ていきます。時に、私とイラストレーターで作るイラストのイメージに齟齬が生じてしまうこともあるので、念押しで指示通りのイラストになっているか擦り合わせを行い、見落としがないかを確認します。
2022.11_instructions03

テクニカルイラストの指示の流れは以上となります。
皆さん、お分かりになったでしょうか。イラストレ―ターの仕事について興味をお持ちになった方はご自身でも調べてみるとより詳しく知れるかと思います。

タグ: 取扱説明書・マニュアル

執筆者: 編集課 T.K

ブログをメールで購読

こちらもおすすめ

最新の記事