つい先日、イラレ初心者の方からペンツールの使い方について上達するためのコツを聞かれました。確かに、ペンツールの仕様は馴染みのない人からすると複雑に感じるかもしれません。コツといっても使っていけば次第に慣れていくものだとは思いますが、イラレ初心者が躓くポイントでもあります。
そこで今回は、ペンツールの基本的な操作について、初心者でも理解しやすいように解説していきます。
ペンツールとは
ペンツールは、直線や曲線を自由に描画することが出来るツールです。イラストやロゴ、デザインの制作など、さまざまな場面で重要な役割を果たしています。
線を引く
○直線の場合
2点違う箇所をクリックするとその間に線が引かれます。
他の箇所をクリックすると、直前の点から次の点へ直線が引かれます。
この点を「アンカーポイント」と呼び、アンカーポイント間に引かれた線を「セグメント」と呼びます。また、これらをまとめて「パス」と呼びます。
線を描いている途中で、もう一度始点をクリックするとパスが閉じた状態になります。この状態で次の点をクリックしても線は引かれず、再度始点からのスタートになります。
○曲線の場合
始点をクリックしたまま描きたい方向にドラッグすると「ハンドル」が現れます。次に他の箇所でクリック&ドラッグするとアンカーポイント間に曲線が現れます。
描きたい曲線の流れに沿ってハンドルを引っ張っていくとイメージ通りの線が描きやすいです。ハンドルを引っ張る方向や距離によって、曲線の形状が変わります。このハンドルの操作によって描かれる曲線を「ベジェ曲線」と呼びます。
曲線を描いている途中で直線にするには、直前の点をもう一度クリックすることで曲線を終わらせることができ、次に他の箇所をクリックすると直線が引かれます。
曲線を描いている途中で線の方向を変えるには、optionキー(WindowsはAltキー)を押しながら、直前の点をもう一度クリック&ドラッグします。自由にハンドルを動かすことができ、途中で線の方向を変えることが出来ます。
ハンドル
線の形状によって相応しいハンドルの形があります。絶対ではないですが、見栄えや修正のことを考えると意識しておいた方が良いことだと個人的には思っています。(例外あり)
○直線の場合
直線では、ハンドルを出さないのが基本です。直線上にハンドルが伸びていても直線は描けますが、ダイレクト選択ツールで触った時に直線が崩れてしまうので好ましくないです。
○曲線の場合
曲線では、セグメントの両端のアンカーポイントからハンドルが出ているのが基本です。ハンドルが片方しかない状態でも曲線は引けますが、修正がしにくく表現できるラインに限界があります。
ハンドルは両端から出すようにし、ハンドルの角度と長さが対称になるようにするとキレイな曲線が描けます。
また、一発で納得のいく線が描けなくても大丈夫です。ダイレクト選択ツールで後から修正が可能です。修正したいセグメントを直接掴んだり、ハンドルを動かしたり出来るので、微調整したい時はダイレクト選択ツールを使いましょう。
アドバイス
ペンツールで線を描く際は、アンカーポイントの数が増えすぎないように心掛けましょう。少ないアンカーポイントで描くと曲線が滑らかになり、修正がしやすくなります。また、アンカーポイントの位置も重要です。曲率が変わる手前にアンカーポイントを配置することで、美しい曲線を描くことができます。
覚えておくと便利
セグメントを触った時に、ハンドルの角度を固定したまま長さだけ変更する方法があります。
メニュータブから【Illustrator】→【設定】→【選択範囲・アンカー表示】を選択。【セグメントをドラッグしてリシェイプするときにハンドル方向を固定】にチェックを入れてOKボタンを押して下さい。これで、セグメントを触った時にハンドルの角度は固定したまま長さだけ調節することができるようになります。元に戻したい場合はチェックを外して下さい。
まとめ
ペンツールの基本的な操作についてまとめてみました。初めは戸惑うことが多いペンツールですが、コツを掴めば自由自在に線を引くことができるようになります。ペンツールをマスターして色んなイラストを描けるようになりましょう!