デジタル全盛でも「紙が強い場面」はここ── 現場で見てきた “紙が効く4つのシーン”

2026/04/21 ( 2026/04/20 更新)

974a0433-e5e0-4480-882b-4864f74702b8

「営業資料も採用もDMも、もう全部デジタルでいいんじゃないか」
ここ数年、実際にこう言われる場面は増えました。
確かに、デジタルの即時性・更新性・拡散力は圧倒的です。

一方で、印刷の現場や営業の立場で仕事をしていると、
「この場面は、紙じゃないとうまくいかないな」と感じるシーンも、今なおはっきり残っています。

今回は、感覚論ではなく、実際の調査データや現場の使われ方をもとに、
「デジタル全盛でも紙が強い場面」を4つに絞って整理します。

 

1. 営業資料|「社内で回る資料」は、いまも紙が強い

BtoBの営業現場では、商談の場そのものよりも、
その後の社内検討フェーズが重要になるケースがほとんどです。

展示会や訪問営業のあと、

  • 担当者が上司に説明する
  • 複数部署で内容を共有する
  • 稟議資料として回覧される

こうした流れの中で、手にとって共有できる資料が今も多く使われています。

実際、紙媒体は

  • デスクに置かれる
  • ファイルに綴じられる
  • 会議の場で同時に複数人が見る

といった
「物理的に存在することによる接触回数の多さ」が強みです。

情報過多のデジタル環境では、PDFやリンクはすぐに埋もれてしまいますが、
紙は「目に入る状態」で残りやすいことが、商談後の想起につながっています。

印刷会社の立場から見ると、
「一度見せる資料」ではなく
「あとで何度も見返される資料」かどうかで、紙・デジタルの向き不向きが分かれます。

 

2. 展示会|その場では読まれなくても「持ち帰り資料」が効く

展示会の現場では、来場者は1日に何十社ものブースを回ります。
その場ですべての説明を覚えてもらうことは、現実的ではありません。

だからこそ、展示会向けのパンフレットやリーフレットは
会期後に思い出してもらうための営業ツールとして機能します。

展示会関連の調査や実務解説では、
紙の配布資料には次のような役割があると整理されています。

  • ブースを離れた後も情報を伝え続ける
  • 社内共有・比較検討用の資料になる
  • 名刺交換の“きっかけ”として会話を生む

特にBtoB展示会では、
社内検討用に紙資料が回覧されるケースが多いことが、
多くの現場レポートで指摘されています。

ここで重要なのは、
「分厚いカタログを配ればいい」わけではない点です。

  • コンパクトで持ち帰りやすい
  • 比較しやすい構成
  • 問い合わせ先がわかりやすい

こうした設計ができている紙資料は、
会期後の商談化率に直結します。

 

3. 採用|「後から見返される情報」は紙が記憶に残りやすい

採用活動は、オンラインへ移行した分野のひとつです。
それでも、採用パンフレットは今も多くの企業で使われ続けています。

理由のひとつは、
「説明会後・面接前後に見返される資料」としての役割です。

採用系の調査や実務解説では、紙の採用パンフレットには、

  • 手元に残ることでリマインド効果がある
  • 家族や知人との情報共有に使われやすい
  • Web情報よりも企業の「全体像」を整理して伝えられる

といった特徴があるとされています。

また、紙媒体は
質感・写真・レイアウトによって企業の空気感を直感的に伝えやすい点も、現場では評価されています。

Webサイトは情報量が多くなりがちですが、
採用パンフレットは「伝えたい順番」で構成できるため、
志望動機づくりの材料として使われやすいのも特徴です。

 

4. DM(ダイレクトメール)|数字で見ても、紙はまだ強い

「DMはもう効かない」という声もあります。
しかし、実際の調査データを見ると、紙DMは今も高い反応を示しています。

一般社団法人日本ダイレクトメール協会
「DMメディア実態調査2024」によると、

  • 本人宛て紙DMの開封・閲読率:74.3%
  • DM閲読後の行動喚起率:20.8%

という結果が報告されています。

同じ期間のメルマガ開封率(約30%前後)と比べても、
紙DMの「読まれやすさ」は依然として高水準です。

重要なのは、
紙DM単体が強いというより、
「行動につながる入口」になりやすい点です。

調査では、

  • ネット検索
  • Webサイト閲覧
  • 問い合わせ

といったデジタル行動のきっかけとして、紙DMが機能していることも示されています。

 

紙とデジタルは「競合」ではなく「役割分担」

現場で見ていて感じるのは、
紙とデジタルは、どちらかを選ぶ話ではないということです。

  • 興味を持たせる → 紙
  • 詳細を見せる → デジタル
  • 行動させる → 両方を連動

この役割分担ができているケースほど、
営業・採用・販促はうまく回っています。

 

どこで紙を使うと効果的か

  • 営業資料:社内で回るなら、紙が残る
  • 展示会:会期後の検討フェーズに紙が効く
  • 採用:リマインドと理解促進に紙が向く
  • DM:数字で見ても、紙は今なお反応が高い

デジタル全盛の今だからこそ、
「どこで紙を使うか」を見直す意味は、むしろ大きくなっていると思います。

お見積り・お問い合わせはこちら

タグ: 印刷業界

ブログをメールで購読

こちらもおすすめ

最新の記事