大学教育の「三つ星評価」時代へ ― 学部別4段階評価と、大学・高校それぞれの役割 ―

2026/06/17

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2026年5月21日、文部科学省が大学など高等教育機関に対する新たな評価制度案を公表しました。学部ごとに「三つ星」「二つ星」「一つ星」「要改善」の4段階で教育の質を評価し、その結果を公表する方針です。

学生の成長をどれだけ促し、成果につなげているかを軸に評価することで、「教育の質」をこれまで以上に見える化しようとしているのが今回の制度のねらいです。

少子化が進むなか、大学は「選ばれる理由」を、そして高校は「安心して勧められる大学」を意識せざるを得ない状況になっています。

この記事では、大学の広報・企画・入試担当の皆さまを主な読者としつつ、高校の先生方にとっての活用のヒントも交えながら、新制度のポイントと広報・印刷物・Webサイトに求められる変化を整理してみます。

 

新制度の概要と「見える化」のインパクト

新たな評価制度では、学部単位で教育の質を次の4段階で評価します。

三つ星 学生の成長につながる優れた取り組みにより、高い教育成果をあげている学部
二つ星 優れた取り組みにより、高い教育成果が期待される学部
一つ星 高等教育機関として求められる水準に達している学部
要改善 法令等で求められる最低水準に達していない学部

 

評価は、ディプロマ・ポリシー(卒業時に身につけるべき資質・能力)に照らして、学修成果データ、学生アンケート、就職状況などをもとに第三者機関が行う方向で検討されています。

結果は独立行政法人大学改革支援・学位授与機構のデータプラットフォームで、一元的に公表され、高校生や企業などがソート・検索しやすい形で提供される見通しです。

これまで「大学全体」の認証評価が中心だったものが、「学部ごとの教育の質」にフォーカスして、分かりやすい評語を付けて示される点が、大きな転換だと言えます。

高校現場から見た「三つ星評価」の使い方

評価結果が公表されると、高校の先生方にとっても、進路指導の際の判断材料が一つ増えることになります。

一方で、「星の数だけ」で進学先を決めるのは危うさもあるため、現実的には次のような使い方になるのではないでしょうか。

 

星の数で“絞り込み”、パンフレットとWebで“中身確認”  

三つ星・二つ星という情報で候補をある程度絞り込んだうえで、大学の入学案内・学部案内やWebサイトを通じて、「どんな教育方針か」「どんな学生が育っているか」を確認する二段階利用が現実的です。

 

「要改善」は改善の方向性も含めてチェック  

要改善の評価を受けた学部も、即座に選択肢から外すのではなく、「どの点が課題なのか」「大学としてどのような改善計画を持っているのか」を確認したうえで判断する視点が重要です。

評価結果はあくまで入口であり、大学が出している説明資料や広報物の中身を読み解いていくことが、高校現場での丁寧な進路指導につながります。

このような使われ方を想定すると、大学側の広報物には、星の数を伝えるだけでなく、その背景にある教育の工夫や改善の姿勢を、高校生と高校教員の両方に伝わる言葉で説明する役割が求められます。


荒川印刷としての支援:大学と高校の“間”をつなぐ広報へ

名古屋を拠点に大学・学校法人の印刷物やWebサイト制作を行っている荒川印刷としては、この「学部別4段階評価」導入の流れを、大学と高校のコミュニケーションを見直すきっかけとして捉えています。

 

学部別パンフレットで「教育の質」を翻訳する  

三つ星・二つ星の評価内容や、改善中の取り組みを、「高校生と高校教員にも伝わる言葉」に翻訳した学部別パンフレットを企画・制作します。

数字だけでなく、授業の具体例、学生・卒業生のストーリー、高校での学びとのつながりを盛り込むことで、進路指導の場でも紹介しやすい資料を目指します。

 

高校向け説明用リーフレット・資料の整備  

「オープンキャンパス用」「高校訪問用」など、高校の先生が生徒に手渡ししやすい形のリーフレットや資料を設計します。

新評価制度の位置づけ、自学部の強みや改善の方向性を簡潔にまとめることで、「この大学はこういう教育をしている」と説明しやすいツールになります。

 

Webサイトでの「高校教員向け情報」の見える化  

大学サイト内に、高校教員・進路指導の先生向けの情報をまとめたページを設け、評価結果や教育の特徴、進路実績などを一覧しやすい形で掲載することも有効です。

印刷物とWebを一体で設計することで、紙からWebへの導線、高校から受験生への情報共有をスムーズにすることができます。

 

危機ではなく「対話のきっかけ」として

2030年からの本格運用が想定されるこの新制度は、大学にとってプレッシャーである一方で、自学部の強みや改善の取り組みを社会に開く大きなチャンスでもあります。

高校の先生にとっても、「星の数だけでは見えない大学の姿」を、広報物や説明会を通じて確認するきっかけになり得ます。

評価結果が公開される時代だからこそ、数字や星の数だけでなく、その背景にある「学びのストーリー」を丁寧に可視化していくことが、これからの大学広報には求められます。

荒川印刷では、印刷物とWebの両面から、大学・学部それぞれの個性や取り組みが伝わるコミュニケーション設計をお手伝いしています。広報ツールの見直しや、高校への伝え方の整理についてお考えの際は、問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

 

受験生・保護者のみなさんへ

学部別の四段階評価は、大学選びの新しい「ものさし」にはなりますが、星の数だけで進路を決めてしまうと、本当に自分に合う大学・学部を見逃してしまうかもしれません。

星評価はあくまで参考情報の一つとして受け止め、パンフレットやWebサイト、オープンキャンパスでの体験と組み合わせながら、「ここで学びたいと思えるかどうか」を確かめてほしいと思います。

三つ星の学部でも、要改善の学部でも、その背景にはそれぞれの歴史や、先生方の考え方、改善の努力があります。

数字やラベルの印象だけで判断せず、「どういう教育をしているのか」「どんな学生が育っているのか」を、高校の先生や保護者とも相談しながら、一緒に見ていくことが大切です。

これからは、「偏差値だけ」でも「星の数だけ」でもなく、複数のものさしを持って大学を選ぶ時代になっていきます。

荒川印刷としても、大学のみなさんと一緒に、そうした進路選びを支えられるような情報発信やツールづくりに取り組んでいきたいと考えています。

 

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タグ: 大学

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